離婚

2017年10月 5日 木曜日

養育費不払い 逃げ得を許さない!

 離婚の件数は年々増加していると言われています。離婚にあたって,未成年の子どもがいる場合には,養育費を定めるのが普通です。
 養育費というのは,子どもを監護していない親が,子どもに自分と同程度の生活をさせるために,監護している親に支払われるものです。
 養育費の額は,双方の所得をもとに,子どもの人数ごとに定められた算定表を参考にして決めることが多いと思います。たとえば,15歳までの子どもが2人いる場合に,夫の給与所得が500万円,妻の給与所得が100万円であれば,月額6万円から8万円の範囲といった具合です。
 さて,ここからが問題です。せっかく,協議離婚で養育費を決める合意書をかわしたり,調停や裁判の結果,調停調書や判決で支払いが命じられたりしても,相手がきちんと支払ってくれるかどうかはわかりません。支払ってくれなくなったらどうすればいいのか,ということです。
 現に,2011年の厚生労働省の調査では,離婚した母子家庭のうち,養育費をきちんと受け取っているのは20パーセントにも満たないということです。そもそも取り決めをしないで離婚した場合もあると思いますが,調停や判決で命じられているのに支払われなくなったという事例が多いわけです。

 そこで,まずは,少なくとも,協議離婚の場合でも,単に合意書を交わすだけではなくて,公正証書で約束してもらいましょう。そうすれば,調停や裁判と同じように,支払わなくなったら強制執行することが可能になります。
 しかし,強制執行は,相手の財産や銀行口座または勤務先の給与債権を差し押さえて強制的に支払わせるものですが,それらを特定しないと手続きができません。不動産なら所在地,銀行なら支店名まで特定する必要があります。勤務先が変わったり,銀行口座を変えたりされると,なかなかそれを調べるのは困難になります。
 そのような場合には,けっして泣き寝入りせず,当事務所にご相談ください。最近は,大手銀行は,弁護士会照会をすれば,支店名,口座科目,残高を開示してくれるようになりました。その他,手段を尽くして,逃げ得を許さず強制執行ができるよう最大限努力します。
 なお,法務大臣の諮問機関である法制審議会で,本年9月8日,裁判所が金融機関や税務署等の公的機関に照会して,銀行口座や勤務先を特定できる制度を作るという中間試案がまとめられ,政府は来年中の国会に法案を提出する方針であると報じられています。そうなると,強制執行がより容易にできることになり,期待したいと思います。

弁護士 松村光晃

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2017年9月27日 水曜日

面会交流とは。

 父母が別居し,あるいは離婚した時に,子ども一緒に生活していない父または母が,子ども直接会うなどの交流を行うことを「面会交流」といいます。
 平成23年に民法が改正され,第766条で「子との面会及びその他の交流」という条項ができ,初めて明確に法文上規定されましたが,既に,昭和39年には裁判所の審判において認められていました。
 父母の別居・離婚は子どもに大きな心理的不安や感情的混乱を与え,これに伴う父母の争いは,子どもの精神に広汎な影響を与えるものです。それだけに子どもへの影響を最小限度に止めるためにも,父母が別れることになっても,子どもの養育に関しては,双方の親が関与していくことが大切なことであると考えます。したがって,面会交流は,親の要望や意向というよりも,子どもの福祉の観点を最も重視して考えるべきものです。
 最近の家庭裁判所の運用を見ても,子どもの親権・監護権が問題となるような事例はもちろん,その点の争いがない事案でも,必ず子どもとの面会交流をどうするのかということが問題となり,調停の途中であっても,同居していない父または母との面会交流が行われるようにすすめられます。また,家裁調査官が調停に参加して,積極的に面会交流が行われるよう配慮しあるいは調査することも多いです。
 しかし,実際には,子どもを連れ去られてしまうことや,同居していない親が子どもを自分の側に取り込もうと働きかけることを心配し,また,子とどもの面会の機会を利用して相手方に自分の主張を押し付けようとすることに対する不安などから,なかなか面会交流が実現しないことが多いようです。もちろん子どもへの虐待があり,子どもが同居していない親に対して恐怖心を抱いている事案などでは,面会交流を実施すべきではありません。また,しばしば「子どもが会いたくないと言っている」という理由で面会を拒絶する事例がみられますが,子ども自身は面会交流に拒否的ではない場合も少なくありません。また,同居している親のことを考えると,子どもとしては会いたいとは言えなかったという場合もあるようです。子どもの真意を見極めることは大変に難しく,私たち弁護士も,慎重にならざるを得ません。子どもが本当に会いたくないという気持ちであれば,面会交流を実施すべきではありませんが,その理由は何なのか,慎重に考慮する必要があります。
 なお,連れ去りを心配される方は多く,面会交流の実現のために第三者機関を使用するということもあるようです。しかし,結構費用がかかるようです。このような場合のために,私たちは,当事務所の会議室などを面会交流の場として提供し,それとなく見守る形で面会を実現することもあります。また,ファミリーレストランで面会交流を行ない,相手方も同意の上で,私たちは別の席で見守るということもしています。親同士も子供も,お互いに慣れるまで,段階的に面会交流を進めていく努力をしています。
 なお,裁判所では家裁調査官が立ち会いのうえ,「試行的面会交流」を行うこともあります。

 弁護士 築地 伸之

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2015年4月 6日 月曜日

離婚しそうなときの生活費はどうすればいいの?

Q 私は20歳ですが,高校一年生の弟がいます。父が生活費を入れてくれないことが原因で,母は弟と私を連れて家を出て,現在父とは別居中です。近々離婚することになりそうですが,母は今後の生活について心配しています。そこで,離婚の手続きや母が父に対してどのような要求ができるのかについて,アドバイスをお願いします。

A まず,お父さんが生活費を入れていないという状況にあるということですが,この場合,あなたのお母さんは,お父さんに生活費を負担してもらうため,家庭裁判所に婚姻費用の分担請求調停を申し立てることができます。 調停はあくまでも話し合いによる解決の場ですが,家裁の調停においては,男女一名ずつの調停委員が双方から話を聞いた上で,意見の調整を図りつつ話し合いを進めてくれるので,事実上,調停委員がお父さんを説得してくれるという効果が期待できます。仮に調停でまとまらなければ審判手続きに移行し,双方の収入額を考慮しつつ適切な婚姻費用の額を裁判所が定めてくれます。調停申立書の書式は家庭裁判所の窓口やインターねと御からも取得することができ,お母さん自身が申し立てを行うこともできます。 次に,離婚についてですが,離婚の方法には,①協議離婚,②調停離婚,③裁判離婚の3つの方法があります。①協議離婚は,当事者間の話し合により離婚する手続きです。協議離婚の場合,養育費や慰謝料等の離婚条件について公正証書を作成しておかないと,約束が守られなかった場合に訴訟等の法的手続きが必要になります。②調停離婚は,家庭裁判所の調停手続きにより離婚する方法です。離婚調停を申し立てる際には,併せて,未成年者である弟の親権者を母とすること,父が母に対し弟の養育費を支払うこと,婚姻期間中にご両親で形成した財産がある場合には財産分与,厚生年金・共済年金に加入している場合には年金分割,さらに,離婚の原因が父にあることから慰謝料についても申し立てをすることができます。③裁判離婚とは,判決により離婚する方法です。ただ,離婚の場合,いきなり離婚訴訟を提起することはできず,まず調停を申し立てることとされています。調停が不成立で終了し,改めて家庭裁判所に離婚訴訟を提起する際にも,調停の場合と同じく,親権者,養育費,財産分与,年金分割,慰謝料についても請求することができます。

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2012年5月 9日 水曜日

離婚親子の面接交渉支援

 東京都が,全国初,離婚親子の面会支援を始めました。
 全国の年間離婚件数は近似,減少傾向にあるようですが、面接交渉に関する家裁への調停申し立ては増加傾向にあるようです。また,離婚後の子供の面会の取り決めをしていないまま離婚する夫婦は多いとのことです。
 このようなことから,新たに未成年の子がいる場合,離婚届に面会や養育費の分担について取り決めをしているかを確認するチェック欄が設けられました。このような民法改正を受けて東京都は、相談員が子供と離婚後の父母と面談し、面会頻度などの条件を調整したうえで、面会場所や日時を決めるようです。
 子供との面会は望むが,離婚した相手と会いたくないという場合は、相談員が子供を連れて行ってくれるということもしてくれるそうです。対象は中学生以下の子供がいる父母で、面会の合意ができていることなどが条件とのことです。
 屋宮昇太

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2012年2月 8日 水曜日

離婚届書式が変更されるようです。

読売新聞の記事からですが,離婚届けの書式に変更があるようです。複雑な紛争が,少しでも解決しやすくなるような運用が望まれます。 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120202-OYT1T01248.htm 子供を巡る離婚後のトラブルが相次ぐ中、法務省は2日、離婚届の書式を一部改めることを決め、各市区町村に周知するよう全国の法務局に通達を出した。 離婚後の親子の面会方法や養育費の分担について、夫婦間で取り決めをしたかどうか尋ねる欄を新設している。離婚後の子供の養育について、夫婦の意識が高まることによって、トラブルの未然防止や、別居した親子の交流の促進が期待される。 厚生労働省によると、夫婦の離婚は2010年、約25万件あったが、夫婦の合意があれば離婚できる「協議離婚」が9割近くを占める。協議離婚の場合、離婚届に必要事項を記入して市区町村に提出すればよいが、離婚した後に、別居した親が子供に会えなかったり、養育費を負担しなかったりというトラブルが生じるケースも少なくない。 そのため、昨年5月に民法が改正され、未成年の子供を持つ夫婦が離婚する際は、親子の面会や交流、養育費の分担について取り決めるよう定められた。4月から施行される。

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