刑事弁護

2017年3月 4日 土曜日

刑事控訴審の再保釈請求

刑事事件の1審の審理中に保釈されていた被告人が,1審で有罪の実刑判決を受けた場合,保釈は効力を失い,そのままでは刑事施設に収容されることになります。この場合,1審判決後に直ちに控訴して再保釈の請求を行い,裁判所が,その必要性と相当性を認めれば再保釈が許可されます。ただし,保釈保証金の上積みを要求されることが多いです。当事務所でも,このような場合には,判決当日に控訴申立てと再保釈の請求を行い,即日,再保釈が認められて,無事,帰宅し,その後の控訴審の準備を,身柄を拘束されない状態で行うことができた,というケースが複数あります。

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2017年2月20日 月曜日

法律家の目から見た司法精神医学

当事務所所属の屋宮昇太弁護士の論考「法律家の目から見た司法精神医学」が精神科医向けの雑誌「精神科」2017年1月号(科学評論社)に掲載されました。


http://www.kahyo.com/item/SE201701-301

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2015年4月16日 木曜日

刑事弁護委員会委員長就任(屋宮弁護士)

屋宮弁護士が,平成27年度の東京弁護士会の刑事弁護委員会の委員長に就任しました。東京弁護士会における刑事事件に関わる問題を様々取り扱い,検討することになりました。この経験を依頼者の皆様へのより一層充実した法的サービスの提供に繋げて参りたいと思います。

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2015年4月14日 火曜日

未成年の子が逮捕されてしまったら?

Q 私には高校一年生の息子がいます。最近,息子の夜遊びが続いていたので心配していたところ,昨日,息子が不良仲間と一 緒に,後輩から2万円を恐喝したという容疑で警察に逮捕されてしまいました。今後,息子はどうなってしまうのでしょうか。

A 息子さんは,成人の場合と同様,逮捕後,勾留されれば引き続き十日間(期間延長されればさらに十日間),身体拘束を受け ることになります。まずは息子さんに事実関係を確認することが大切ですので,すぐに弁護士に相談することをお勧めします。また無料で一回弁護士が面会してくれる,当番弁護士制度もあります。
 
 捜査の結果,嫌疑があるという場合や,将来,罪を犯すおそれがあると判断された場合,家庭裁判所に事件が送られます。その後,息子さんの処分は,家庭裁判所の裁判官が,調査官による調査を経て審判という場で決めることになります(なお,裁判官が処分する必要がないと判断した場合などは,審判自体が開かれないというケースもあります)。そして,裁判官が必要だと考えた場合には,審判までの期間(通常は3週間程度),息子さんは少年鑑別所に収容されます(この場合,少年鑑別所に収容された少年や家族が希望すれば,無料で一回弁護士が面会してくれる当番付添人制度があります)。

 審判によって決まる主な処分には,
 ①不処分
 ②保護観察処分(家庭で普通に生活しながら,保護観察所の行う指導監督と補導援助によって,社会的処遇での改善更生を図 る処分)
 ③少年院送致があります。また,重大な罪を犯した場合などは,
 ④検察官に事件が戻され,成人と同じ刑事裁判を受けるケースもあります。

 息子さんが,上記のうちどのような処分を受けることになるかは,罰するためというよりは,どのような処分が息子さんの更生に役立つのかといった観点から決定されます。このため,息子さんが反省を深めるための手助けや,更生するための環境を整えたりすることが大切であり,その際ご両親の協力がとても重要になります。たとえば,なぜ非行行為をしてしまったのか息子さんと一緒に考えたり,被害者の方の気持ちをくみ取りながら示談を進めたり,さらには,息子さんを不良交友関係からいかに離脱させるか等,更生のための環境調整を行うなどの努力をすることが大切です。

 少年審判においては,弁護士等が少年の利益を代弁し,少年の更生をサポートする役割を果たす付添人となって活動することができますので,この点も弁護士に相談してみてください。

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2015年4月 6日 月曜日

屋宮弁護士の活動がNHKのニュースで紹介されました。

屋宮弁護士が取り組んでいる,「司法と福祉の連携」に関する活動が,3月28日のNHKのニュース7の全国枠で報道されました。80歳代の万引きを繰り返している高齢者の方で通常,懲役刑で刑務所に行かなければいけないところを,福祉の専門家(社会福祉士)との連携で罰金刑とし,福祉施設に繋げることが出来たという活動が紹介されました。




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2014年12月 3日 水曜日

法律のひろばに記事が掲載されました。

 法律のひろば(平成26年12月号)に私の書いた記事が掲載されました。東京三弁護士会障害者等刑事問題検討協議会の議長を務め,障害者や高齢者の刑事事件,刑事弁護に取り組んできたこともあり,弁護人の立場から見た障害者等の裁判段階における問題点について記事を書かせていただきました。これからも障害者支援のために尽力して参りたいと思います。http://shop.gyosei.jp/index.php?main_page=product_info&cPath=40_4040_404071001&products_id=8690&previouslink=3

弁護士 屋宮 昇太
 

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2014年8月 5日 火曜日

東京弁護士会の機関誌に記事が掲載されました

東京弁護士会では,リブラという機関紙が毎月発行されています。今月の特集は,「知的障害者・高齢者等の刑事弁護と社会復帰支援」がテーマです。私が,巻頭の記事を書き,座談会の司会も務めております。東京三弁護士会のこの動きは,まだまだ始まったばかりですが,しっかりと軌道に乗るように引き続き頑張って参りたいと思います。
なお,記事自体は,下記東京弁護士会のHPでご覧になれます。
http://www.toben.or.jp/message/libra/

弁護士 屋宮昇太

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2014年2月11日 火曜日

裁判員裁判とプレゼンテーション

 これまで裁判員裁判を5件ほど担当しました(それ以外にも裁判員裁判の控訴審も担当しました)。他の弁護士に比べれば多くの回数経験をさせていただいていると思います。
 昨年の12月に担当した裁判員裁判で私が冒頭陳述をした後,同じ法廷で傍聴していた修習生たちの会話から「プレゼンテーション技術って大切だね」という声が聞こえてきました。特にこれまで冒頭陳述で何を伝えるのか迷いぬいていた私には意外な言葉でした。
 実は,裁判員裁判が始まったときには,自己アピールの苦手な僕には,もう重大事件は出来ないだろうなと思っていました。弁護士会の法廷弁護技術研修も,何か芝居じみた裁判になりそうで好きではありませんでした(もちろん,それは私が勝手にそう思っていただけのことですが)。
 実際に,裁判員裁判を担当するようになった後も,どう伝えるべきか迷い「プレゼンテーション」などということについては一生苦手なままで,とにかく自分は内容で勝負するしかないと思ってこれまでやってきました。 
 しかし,回数を重ね,事件毎に裁判員にどう伝える事がわかりやすいか,ということを意識し,あまり好きでもない法廷弁護技術研修も受け,悩んで実践を続けるうちに,修習生からこのような声が上がるようになりました。
 私に「プレゼンテーション」などという言葉は,今でも似合わないような気がしますが,一生懸命伝えようとした結果として「プレゼンテーション技術」があると見られるような面が出てきたことは,裁判に限らず,自分の人としての殻を破ったような感じもして,一人喜んでいます。これからも内容は当然のこと,如何に伝えるかという技術についても貪欲に学んでいきたいと思います。
弁護士 屋宮 昇太

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2013年9月17日 火曜日

日弁連刑事弁護センターの幹事になりました

 本日から日弁連の刑事弁護センターの幹事になりました。幹事というのは,会議での議決権は持たないのですが,それ以外は,委員と同じ立場で刑事弁護センターを運営していくという立場です。今年から私が,東京弁護士会で障がい者の刑事問題に関して責任者になっていることから,日弁連でもこの問題に関するプロジェクトチームが立ち上がるということで,このメンバーになることになりました。東京だけでなく,全国の動きも把握し,協議していくことになりました。
 各地の弁護士と様々交流を深めるなかで,さらなる新たな価値観を吸収し,弁護士としてさらに成長していきたいと思います。
弁護士 屋宮昇太

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2013年9月 8日 日曜日

障害者の刑事関係の問題

 法務省「矯正統計年報(2010年)」では,刑務所の受刑者の26.9パーセント(4分の1以上)が,IQ69以下であり,知的障害者(疑い含む)であり,出所しても7割が,再犯を犯しています。これは,障害がある故に,また,身寄りがない故に,万引き等を繰り返さなければならない障害者が多くいることを意味しています。障害という個性がある故に,人間として,「健康で文化的で最低限度の生活を営む権利」(憲法25条)を奪われている,そういえるのではないでしょうか。
 現在,司法と福祉が連携を深め,この問題を解決していこうという動きが全国的に加速しています。しかし,この東京でどのような取り組みがなされるかが,全国の動きに大きく影響することもまた事実です。私は今年の三月からこの問題に東京弁護士会の責任者として取り組むようになりました。その後,東京に三つある弁護士会で協力して取り組むことになりました。
 犯罪は犯罪です。しかし,犯罪を責めるだけではなく,どうすれば,その犯罪を防止できたのか,今後,同じ犯罪が繰り返されないためにはどうしたらよいのかを真剣に考えなければ,人間として無責任ではないか。私は,そんな思いでこれまで刑事弁護を行ってきました。その私の思いに響く取り組みが,この取り組みでした。
 これから,関係各所と協議を進めていきと考えています。是非,よりよい制度を作っていきたいです。
弁護士 屋宮昇太

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2013年8月28日 水曜日

法廷弁護技術研修に参加しました。

 この8月12日から14日,日弁連主催の法廷弁護技術研修に参加してきました。全国からより高い刑事弁護技術を求める弁護士が集い,3日がかりの「ここまでやるか」的研修でした。このような研修は3年ぶりということで非常に貴重な経験ができました。
 刑事事件の冒頭陳述,主尋問,反対尋問,最終弁論,様々な技術を学んできました。実際に,実演をして,有名な高野隆先生や後藤貞人先生などなどから直接,自身の法廷弁護技術の批評を受けるとともに,同期や後輩弁護士からも批評を受け,大変過酷でもありましたが,大変に刺激になりました。
 また実際の法廷で刑事弁護活動を行うのが楽しみになってきました。こうやって,自分をしごいて,本番で依頼者のために全力を尽くすことができればこれほど幸せなことはありません。もっともっと力をつけていきたいものです。
屋宮 昇太

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2013年2月18日 月曜日

裁判員裁判が終わりました。

 2月冒頭に裁判員裁判が終わりました。
 1月末は,裁判員裁判が連日開廷され,最終弁論が終わった段階では,燃え尽き症候群のように放心状態になりました。裁判員裁判は,殺人等の重大な事件についてのみ行われるもので,強い緊張感に包まれる法廷の雰囲気に弁護人としても最大限のパワーで臨まなければ飲み込まれてしまいそうです。特に,一生に一度しか経験されないであろう裁判員の方々の裁判に臨む姿勢は,法廷に一層強い緊張感を与えます。
 裁判員裁判が終わって,しばらくは被疑者,被告人のために最善の弁護活動が出来ただろうかと自問自答する毎日でした。このような自問自答を繰り返して,反省すべき点は反省して,より頼れる弁護人に成長していきたいと思います。
弁護士 屋宮 昇太

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2012年12月17日 月曜日

東京地裁刑事部との懇談会に参加

 先日,東京地裁刑事部裁判官との懇談会に参加しました。いつも法廷で対峙する裁判官の方々と事件を離れて話をするのは不思議な感じでした。ちなみに,私が,弁護をした法廷の裁判官も二名いらっしゃいました。
 しかし、裁判員裁判という裁判所にも弁護士にも未知数の制度を運用することとなった今日,単なる裁く側と裁かれる側ではなく、同じ刑事司法を担う法曹としての自覚と責任感をより強く持たなければいけないと実感しました。
 個別の事件も刑事弁護委員会の活動も着実に頑張りたいと思います。
 屋宮 昇太

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2012年12月 1日 土曜日

TT法(刑事弁護におけるケース・セオリーの構築方法)研修

 研修シリーズです。今日は,TT法(刑事弁護におけるケース・セオリーの構築方法)という研修を受けてきました。刑事弁護で有名な高野隆先生の研修です。裁判員裁判が始まる前からペーパレス弁論を実践している先生で,今回の研修もペーパレスでした。
 研修の内容は,裁判員裁判においては,これまで裁判官裁判では間接事実の積み重ねで事実認定をしてきたが,これからは,裁判員に弁護人の勝訴すべき理由(ケース・セオリー)をいかに示せるかが重要であり,そのためには,川喜多二郎氏(東京工業大学名誉教授)が考案したKJ法を参考とした思考整理法(=TT法)が有効だというものでした。TT法というのは,高野隆の頭文字をとったそうです。これは,ふせんに被告人に有利な事実と不利な事実とその理由を挙げられるだけ挙げ,これをホワイトボードに張り付けて,グループ分けし,整理をして,ストーリーを組み立てるという手法でした。
 斬新な発想で,どこまで実践できるのか,自信がないのですが,間接事実による事実認定のみに頼るだけではない主張をしなければならないというメッセージには大いに啓発を受けました。伝統のみに縛られず,新しい発想も意欲的に取り入れて,新鮮な弁護活動を心がけていきたいものです。
 屋宮 昇太

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2012年10月13日 土曜日

接見妨害国家賠償訴訟提起

 東京拘置所で接見妨害が行われたということで,弁護団の一員として,昨日(12日),国家賠償訴訟を提起いたしました。東京弁護士会の弁護士が,被告人と面会中に,被告人の心身に不調が見られたことからその状況を記録しようと写真撮影を行い,引き続き録画等を行おうとしたところ,被告人が接見室内から連れ出され,接見を中断させられたというものです。 接見を行い目の前で被疑者・被告人の心身の不調を見ながら,その場で直ちに写真撮影等できなければ,時期を逸してしまい,有効な弁護活動を行うことができません。写真撮影等を行ったとしても,拘置所の秩序が維持できなくなるような事態は想定できないにも拘わらず,有効な弁護活動が行えなくなるようなことはあってはならないことだと思います。国の施設運用そのものを変えようとするこの裁判には大きな意義がありますので,精一杯頑張りたいと思います。 屋宮 昇太

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2012年9月 5日 水曜日

被疑者・被告人と弁護人との接見交通権

  刑事訴訟法39条は,身体の拘束を受けている被告人又は被疑者は、弁護人又は弁護人を選任することができる者の依頼により弁護人となろうとする者と立会人なくして接見し、又は書類若しくは物の授受をすることができる旨定めています。これを被疑者・被告人の接見交通権といいます。
  これにより,弁護人は,被疑者と警察官等の立ち会いなく,自由に会話することができ,裁判に向けた打ち合わせ等ができ,自らの権利を守ることができます(これに対し,弁護士でない一般の方が面会する場合は,警察官等が接見に立ち会い,接見時間も限られています)。 
  しかし,この接見は,被疑者・被告人が,弁護を受ける権利の保障のために定められたものであるにもかかわらず,警察官,検察官や拘置所が,理由をつけてはこれを制限しようとします。それは,正当な理由のある場合もありますが,正当な理由のない接見妨害に対しては断固として戦わなければなりません。
 私も,被疑者・被告人の接見交通権を疎かにされないよう戦ってきましたし,これからも戦っていきたいと思っています。 
 屋宮 昇太

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2012年4月13日 金曜日

刑事弁護委員会

 本日,東京弁護士会の刑事弁護委員会の副委員長に就任しました。この東京弁護士会刑事弁護委員会は何かというと,弁護士は必ず各地方に存在する弁護士会(通常,各都道府県に1会ですが,北海道や東京は1都道に複数会があります)に所属しなくてはなりません。さらに,その上部団体として全国の弁護士会を統括する日本弁護士連合会があります。
 これらの弁護士会には,それぞれ人権擁護委員会とか,綱紀委員会などの委員会があり,東京弁護士会での刑事弁護委員会は,東京弁護士会内での刑事弁護に関する問題を議論したり,提言したり,裁判所・検察庁と必要事項について協議したりしています。
 私は,数年前も副委員長を務めていましたが,今般,再度副委員長に就任させていただきました。私には荷が重いかもしれませんが,就任した以上は精一杯頑張ろうと思います。
 屋宮昇太

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2012年4月 6日 金曜日

刑事事件の最終弁論

 刑事事件の第1審の裁判で,証人尋問等全ての証拠調べが終わった後に,検察官は論告,弁護人は弁論といって双方の最終的な意見を述べる手続きがあります。検察官は,被告人は犯罪をした悪い人だから懲役何年を求めるという意見を述べます。これに対し,弁護側は,被告人は無罪であるとか,犯罪をしたとしても良い面もあるから寛大な処分をしてほしいという意見を述べます。刑事弁護のいわば一番の見せ場です。
 裁判員裁判以外では,弁論はほとんどの場合,弁論要旨という書面を提出します。要旨といっても,口頭で述べる内容よりも弁論要旨の方に詳細なことが書かれてあることがほとんどです。弁護人によっては,箇条書きだけの弁論要旨を提出する方もいますが,当事務所では箇条書きではなく犯行に至る経過等をなるべく詳細に主張するように心がけております。どのようなやり方が望ましいかはわかりませんが,弁論は弁護側の最終の意見を述べる場面なので,被告人の意見が最大限裁判官に伝わるような工夫をするよう心がけております。裁判員裁判以外の裁判では法廷終了後,裁判官が裁判官室で双方の書面の意見を見つつ判決を書くことになるからです。
 逆に,裁判員裁判の弁論では,口頭が中心で,書面はメモ程度のものしか出しません。裁判員が法廷でのやり取りの直後に議論をするため,書面を読む時間がなく,法廷で弁護人の主張を正確に理解してもらうには,メモを見つつ,弁護人の話をその場で聞いて理解してもらう必要があるからです。
 いずれにしても弁論も,その事件の審理に応じて最も裁判官及び裁判員が理解をしてもらいやすいように工夫をするよう心がけています。
 屋宮昇太

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2012年3月31日 土曜日

刑事弁護マニュアル発刊

 私が監修者・執筆者として関与した東京弁護士会法友全期会刑事弁護研究会編「全訂刑事弁護マニュアル」が株式会社ぎょうせいから3月30日,発刊されました。
 法友全期会の刑事弁護マニュアルは,近時出版されている刑事弁護のマニュアル本の中でも,この類の書籍の少なかった二十数年前から多くの読者に読まれている定評のあるもので,今回改訂に中心的な立場で関わらせていただいたのは大変な光栄なことでした。
 しかし,法友全期会という弁護士会の中の若手の集まりで作成しましたので,未熟な内容も含まれているかもしれません。ただし,現状の最低限の内容は押さえられるかなとは思っています。私個人としては,新たに出版に監修者・執筆者として関与させていただいて,最近の刑事手続きの流れや判例を勉強することができ大変に良かったと思います。これからも最先端の刑事弁護を提供できるよう研鑽を重ねて参りたいと思います。
 屋宮昇太

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2012年3月25日 日曜日

接見等禁止の過酷さ

 犯罪したことが疑われ勾留をされた際に,合わせて接見等禁止の決定がなされることがあります。接見等禁止の決定とは,勾留期間中弁護人以外の人と面会ができなくする決定のことを言います。接見等禁止処分は,交流されても尚罪証隠滅の可能性が高い場合になされることとなっています。
 この決定がなされると妻や子などの親族とすら一切面会できなくなります。以前もこのブログで書きましたが,勾留期間中はただでさえ,心理的に不安定な状況におかれます。これがさらに接見等禁止決定がなされ弁護人以外と面会できないとなると,この不安はさらに度を増すこととなります。
 したがって,検察官が,接見等禁止決定を裁判所に請求することを被疑者に告げることは被疑者にとっては非常な脅威となります。検察官が,罪証隠滅の防止のためでなく,これを利用して取調べを有利に進めようとしていることはないと思いますが,被疑者の話を聞いていると,そのように感じてしまうこともあります。
 いずれにせよ,接見等禁止がなされると被疑者の精神的安定を保つために弁護人がさらなる労力をつぎ込んでいかなくてはなりません。弁護人接見を頻繁に行い,親族等との犯罪事実以外の連絡を取ったり,メッセージを伝えたりして,被疑者を励まし続けていく必要があります。また,並行して接見等禁止決定の全面解除を裁判所に求めたり,親族のみとの接見は認めるように一部解除を裁判所に求めたりします。
 当事務所では,このように接見等禁止が付された事件でも最大限の努力を行っており,頻繁に接見を行い,検察官と粘り強く交渉を行う等した後,接見禁止の解除申請を行い,接見等禁止の解除を実現する等しております。
 屋宮昇太

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2012年3月22日 木曜日

保釈について

 よく報道で保釈という言葉が出てきます。保釈というのは,一定の犯罪を犯していると疑われ起訴された後に,保釈保証金を裁判所に預けて,一旦釈放されるという制度です。保釈金を預けておきながら,裁判に出頭しなかったりすると,これが没収される可能性があります。これは,起訴された後にしか適用がなく,起訴される前の逮捕・勾留期間は保釈制度は利用できません。
 どういうときに保釈が認められるかというと,平たく言えば,保釈保証金を裁判所に預けることで,逃亡の可能性や罪証隠滅の可能性が一定程度にまで下がるときです。一般的には,保釈保証金の金額が高ければ高いほど,逃亡の可能性や罪証隠滅の可能性が低くなると考えられます。もちろん,金額が積まれれば,必ず釈放されるというものでもありません。
 保釈保証金の金額は,一概にはいえませんが,窃盗とか覚せい剤といった犯罪の中で軽い程度のものでも150万円は,必要とされることが多いようです。今日では,一定の手数料を払うと保釈保証金を用立ててくれる業者も出てきており,さらに,いずれは弁護士会で保釈保証金に関する制度を作ろうとしているところです。私も,保釈保証金を用立ててくれる業者を利用して保釈決定を得たこともあります。
 近時は,一定程度の重大犯罪でも保釈決定が出されることもあり,私も裁判員裁判対象事件でも保釈決定を得た経験もあります。何事も無理だと決め付けない活動が重要だと思い知らされました。
屋宮昇太

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2012年3月17日 土曜日

刑事弁護(刑事事件)における示談

 刑事弁護(刑事事件)で示談というと,あまり良い印象を持っている方は少ないような気がしています。犯罪をした人が,お金を払って,一応の反省の情を示し,刑を軽くしてもらおうとしているだけでなはいかと。。。
 犯罪は一度起こってしまうと,全く元の状態に戻るということはありえません。軽微な窃盗であったとしても,被害者側の心に傷を与えてしまうことは事実であって,どんなにお金を払って,謝罪をしても一度生じた心の傷が消えてなくなるということはないと思っています(もちろん,真にその人が被害者であればということですが)。財産犯でない性犯罪等であればなおさらです。
 では,示談はやはり犯罪をした人が刑を軽くするためだけにあるのでしょうか?
 少なくとも私は,そのためだけの示談であってはならないと思っています。特に加害者が逮捕されているような場合,加害者から被害者に謝罪の意思を伝えられるのは弁護士である場合がほぼ全てです。
 弁護士が,被害者に謝罪の意思を示し,被害者の心情を受け取る。そして,それを加害者に伝えるというコミュニケーションの中で,被害者の心の傷が少しでも癒えるように努力し,加害者側は自分の人生の狂いを修正できるように努力する。
 その結果として,双方の心が少しでも良い方向に動き,その結果として示談が成立するという努力をすることが大事だと思っています。狂ってしまった何かが少しでも正常な状態に近づくようにしたい,こういう思いで,私は弁護活動を行っています。いずれにせよ,示談については,私の意見に賛同しない方もいるかもしれず,軽々には語りつくせないものであると思います。
屋宮昇太

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2012年3月16日 金曜日

情状弁護

 刑事事件で被告人が犯罪をしていることを認めているときには,専ら刑の重さがどの程度かが問題となります。このとき被告人の刑の重さに関する弁護活動を行うことを情状弁護といいます。
 特に懲役3年までだと執行猶予となる可能性があり,この執行猶予となるかどうかが大きな争点となることが多いです。執行猶予とは,懲役を言い渡されても一定期間禁固刑以上の罪で罰せられなければ刑務所に行かなくても済むという制度です。たとえば,懲役3年執行猶予5年の判決であれば,5年間禁固刑以上の罪で罰せられなければ,3年の懲役は刑の言い渡しの効力を失い刑務所にいかなくても済むこととなるので,執行猶予が付くかどうかは被告人のその後の人生に大きな影響を与えます。
 情状弁護で主張することは,たとえば窃盗では,盗んだ動機,被害金額の大小,示談の成否,被告人の反省などある程度,パターン化されています。
 しかし,私は,このようなパターン化された弁護活動だけではなく,なぜこのような犯罪をしてしまったのか,今後どのようにして生活をして再度の犯罪をしないようにするかを目の前の依頼者と徹底して語り合うようにし,時には依頼者と議論を交わします。その上で,その人の善悪両面を合わせもつ,人間そのものの姿を法廷では裁判官に理解してもらおうと努力しています。
 「罪を憎んで人を憎まず」という言葉がありますが,弁護人が法廷で「罪」にのみ着目した弁護活動しか行わず,「人」を重視した弁護活動を行わなければ,法廷で依頼者の「人」の側面を語る人がいなくなってしまいます。検察官は,被告人を「犯罪者」として主張立証を行いますが,弁護人としては,被告人を善悪の両側面を持つ「人」として適正な処分がなされるように最大の努力をしていかなければならないと考えています。
 屋宮昇太

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2012年3月12日 月曜日

裁判員裁判の控訴事件

 最近,裁判員裁判の無罪判決を控訴審(東京高等裁判所)が破棄して有罪判決を下した事件について,最高裁が,高裁判決を破棄して無罪判決を言い渡すということがありました。・・・・にもかかわらず,その後,大阪高裁が裁判員裁判の無罪判決を出したようです。高裁おそるべしという感じです。
 私自身裁判員裁判を昨年経験し,その後,裁判員裁判の控訴審(高等裁判所の審理)を経験しました。これまでの供述調書が重きを置く,裁判官による裁判とは違い,その審理にしか加わらない意裁判員が審理する裁判人裁判は,法廷でのやり取りが正に全てを決めるという法廷での緊張感は,これまでにないものでした。賛否両論ありますが,私は,裁判員裁判の良い面もたぶんにあると感じています。
 始まったばかりの制度で,色々動きがめまぐるしいですが,しっかりと流れを追い続けて,最先端の弁護技術を皆様に提供できるようがんばってまいります。
 屋宮昇太

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2012年3月 8日 木曜日

身体拘束の心理的不安

 刑事事件は,犯罪をしたと疑われた人(被疑者といいます)が逮捕され必要性がある場合,原則10日間,さらに必要があれば,10日間の合計20日間,警察署や拘置所で身体拘束されることとなります。そして,身体拘束を受けつつ,警察や検察から取調を受け続けることとなります。
 この身体拘束の与える心理的不安は,並々ならぬものがあり,身体拘束をされた方々が口をそろえて,あの不安から逃れるために,虚偽の自白をしてもいいのではないかという気になってくるとのことです。犯行を一旦認めてしまうと後に,本当はやっていなかったと述べても,有罪となってしまう可能性が著しく高まってしまいます。
 私たちは,虚偽の自白を生じさせないためにも,身体拘束の心理的不安を少しでも理解して弁護活動を行うことが重要だと考えています。そのため,特に,犯行を否認する事件に関しては,チームを組んで原則的に毎日接見をしています。毎日接見することで,被疑者の日々の精神状態,取調状況をチェックし,不当な取調があれば抗議していきます。その結果,起訴もされずに不起訴を勝ち取った事件もあります。
 屋宮昇太

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2012年3月 5日 月曜日

公判前整理手続きとは

 私は,東京の公判前整理手続が採用された第1号の刑事事件を担当しました。弁護士会でチーム編成した末端にいさせていただいた感じですが,起案等も担当させていただくことができました。
 公判前整理手続とは,主に裁判員裁判の対象となる事件で行われる手続きです。裁判員も加わった法廷での審理を行う前の準備手続で,検察官と弁護人がどのような主張をするか,どのような証拠を提出するかを整理し,審理が円滑に行われるよう準備するのです。
 公判前整理手続では,検察官が自らの主張を立証する証拠を弁護人に開示した後,弁護人から他に収集されている可能性のある証拠の開示を検察官に求めるなどした上,弁護人の主張を確定させていき双方の準備が整った段階で裁判員を選ぶ手続きを行うこととなります。
 検察官が,弁護人が証拠開示を求めたにもかかわらず開示しなかったような場合は,裁判所に対し,裁定申立といって,検察官に開示させるよう求める手続きを行います。これが認められると,検察官は,証拠を弁護人に開示しなくてはならなくなります。
 私は,その後の事件で,検察官に被告人の取調の状況を録画したDVDのコピーを求めたところ,拒絶されたため,他の弁護人とともに裁定の申立をし,DVDのコピーを条件付で認めて貰った初の決定を得ることができました。
 屋宮昇太

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2012年2月29日 水曜日

証人尋問(被告人質問)

  よくドラマで法廷の模様が放映されます。その場面は,検察官と弁護士が,被告人または証人に対し,質問をし,被告人または証人がこれに答えるという場面で,被告人質問とか証人尋問などと言います。
  ドラマなどで放映されるのは,大体が刑事事件のものですが,貸金の請求をするような民事事件の場合は,原告の弁護士と被告の弁護士がそれぞれ原告や被告本人または証人に質問をし,それぞれの質問に証人たちが回答することとなります。
  尋問のときには主質問と反対質問とがあり,たとえば弁護人から被告人に主質問といって,被告人側のストーリーを話させた後,検察官が被告人に対し,反対質問として,被告人側のストーリーの信用性を崩すための質問をすることになっています。
  主質問に関しては,基本的に味方の人間に対する質問なので,事前に打ち合わせをすることはできますが,反対質問に関しては,敵方の人間に対する質問なので,事前に打ち合わせることができません。主質問では,いかにわかりやすく裁判所にこちらのストーリーを理解してもらうかという技術が求められるのに対し,反対質問はその場で証人等の証言の矛盾を突く質問をする技術が求められます。どちらも,裁判の勝敗を決する重要な技術ですが,習得するのは困難を極め,基本的には一緒に裁判をやった人から技術を盗み取ることが一番の上達法だと思います。
  当事務所では,全員が常に尋問技術の向上を図りつつ,数多くの証人尋問等を経験し,多くの成果を上げております。
 屋宮昇太

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2012年2月24日 金曜日

取調べ可視化

 警察庁が,平成24年2月23日付けで取調べ可視化の拡大を求める有識者会議の報告書を公表しました。
 否認事件でも逮捕直後からの取調の録画・録音がされるようになると思われます。逮捕直後の取調べが最も過酷を極めることは,これまでも知られていたことで,大阪での取調における警察官の脅迫事件は記憶に新しいところです。警察が本当に意味のある形でこれを実行するよう弁護人としても最大限努力していかなくてはなりません。
 当事務所でも,逮捕直後の弁護活動を最重要視しています。逮捕とそれに引き続く10日間から20日間の勾留は職場を失う等,あまりにも大きな不利益を被疑者にもたらします。
 逮捕直後に直ちに被疑者に接見し,検察官に不要な勾留請求をさせないよう意見書を作成し,近親者等の身元引受人と連絡を取り,身元引受書を作成してもらった上,これらを検察官に提出し,検察官との面談を行う等しています。
 また,勾留請求されたとしても,翌日に裁判所に対し,検察官の勾留請求を却下するよう求める意見書を作成し,裁判官と面談する等しています。
 このように粘り強く弁護活動を行った結果,多くの事案で逮捕段階のみでの釈放を勝ち取っています。
 屋宮昇太

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2011年4月 6日 水曜日

裁判員裁判

 1月に初めての裁判員裁判を担当し,3月には2回目の裁判員裁判を担当しました。
 裁判員の方々がどのような質問をされるのか,どのような裁判になるのか,見えない部分がありましたが,終わってみると裁判員の方々の質問はいずれも的確で,裁判自体の雰囲気も1回勝負の真剣さがより一層感じられました。
 裁判員の方の質問内容は,専門家だと思いつかぬような素朴なしかし,もっともなもので,感銘を受けることも多々ありました。
 いろいろな議論のある制度ですが,私の担当した2回の裁判員裁判は,このような制度が採用された意義を大きく感じさせてくれるものでした。
 屋宮

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