弁護士ブログ

2017年10月16日 月曜日

脳脊髄液減少症に関する画期的判決

脳脊髄液減少症に関する画期的な判決が,平成29年6月1日に名古屋高等裁判所民事第4部(裁判長裁判官藤山雅行)で言い渡されました。これは,以前,この弁護士ブログで紹介した脳脊髄液減少症患者・家族支援協会の代表を務めている中井宏氏から,判決の全文を含め,情報提供をして頂きました。協会の会報にも同判決の内容が紹介されており,同判決が判例秘書にも登録されたということでした。この判決を言い渡した名古屋高裁の裁判長は,藤山正行裁判官という有名な裁判官であり,被害者救済の観点から,勇気ある判断を下されたことに,最大の敬意を表し,また,声援を送りたいと思います。今回の名古屋高裁の判決は,これまで交通事故等で被害者が原告となって訴えを提起してきた裁判で保険会社側から証拠提出されてきた吉本医師の見解について,実質的に,その信用性を否定し,「臨床の現場で実際に診療活動を行っている専門医ら」の見解を重視して判断を下している点について,特に強い共感を覚えます。「現場で実際に診療活動を行っている専門家」の声に耳を傾けることは,交通事故等の被害を受けて実際に苦しんでいる被害者の声に耳を傾けることにつながり,被害者の救済という理念を実現する意味でも,極めて重要なことだと思います。

弁護士 田中秀浩

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2017年10月 5日 木曜日

養育費不払い 逃げ得を許さない!

 離婚の件数は年々増加していると言われています。離婚にあたって,未成年の子どもがいる場合には,養育費を定めるのが普通です。
 養育費というのは,子どもを監護していない親が,子どもに自分と同程度の生活をさせるために,監護している親に支払われるものです。
 養育費の額は,双方の所得をもとに,子どもの人数ごとに定められた算定表を参考にして決めることが多いと思います。たとえば,15歳までの子どもが2人いる場合に,夫の給与所得が500万円,妻の給与所得が100万円であれば,月額6万円から8万円の範囲といった具合です。
 さて,ここからが問題です。せっかく,協議離婚で養育費を決める合意書をかわしたり,調停や裁判の結果,調停調書や判決で支払いが命じられたりしても,相手がきちんと支払ってくれるかどうかはわかりません。支払ってくれなくなったらどうすればいいのか,ということです。
 現に,2011年の厚生労働省の調査では,離婚した母子家庭のうち,養育費をきちんと受け取っているのは20パーセントにも満たないということです。そもそも取り決めをしないで離婚した場合もあると思いますが,調停や判決で命じられているのに支払われなくなったという事例が多いわけです。

 そこで,まずは,少なくとも,協議離婚の場合でも,単に合意書を交わすだけではなくて,公正証書で約束してもらいましょう。そうすれば,調停や裁判と同じように,支払わなくなったら強制執行することが可能になります。
 しかし,強制執行は,相手の財産や銀行口座または勤務先の給与債権を差し押さえて強制的に支払わせるものですが,それらを特定しないと手続きができません。不動産なら所在地,銀行なら支店名まで特定する必要があります。勤務先が変わったり,銀行口座を変えたりされると,なかなかそれを調べるのは困難になります。
 そのような場合には,けっして泣き寝入りせず,当事務所にご相談ください。最近は,大手銀行は,弁護士会照会をすれば,支店名,口座科目,残高を開示してくれるようになりました。その他,手段を尽くして,逃げ得を許さず強制執行ができるよう最大限努力します。
 なお,法務大臣の諮問機関である法制審議会で,本年9月8日,裁判所が金融機関や税務署等の公的機関に照会して,銀行口座や勤務先を特定できる制度を作るという中間試案がまとめられ,政府は来年中の国会に法案を提出する方針であると報じられています。そうなると,強制執行がより容易にできることになり,期待したいと思います。

弁護士 松村光晃

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