弁護士ブログ

2017年6月 7日 水曜日

民法改正-消滅時効はどうなる?

 5月26日の本欄で,国会で民法の改正法が成立したことをお伝えしました。2020年には施行となります。
 改正の内容は,契約の約款についての規定の新設,法定利率の変更,連帯保証人の制度の変更など,私たちの暮らしに大きな影響を与えるものが目白押しです。
 その中で,消滅時効の制度についても大きく改正されています。 消滅時効って知っていますか?
 そう,借金していても,返済せず,催促もされないまま,10年経てばチャラになる,っていうあれです。
 権利の上に眠るものは保護しないとか,何年も経ってから請求されても返済した証拠が残っていなくて立証できない事態を救済する,というのが制度の趣旨とされています。
 現行の民法では,債権の消滅時効は基本10年です。しかし例外として,たとえば,マンションの管理費は5年,医者の診察代は3年,弁護士の報酬は2年,飲食代のツケは1年,などというように債権の種類によって特別に短期の時効期間が定められています。この債権は何年で時効かな?って,わかりにくいですね。そこで,今回の改正で,原則としてすべての債権について,権利行使できるときから10年で消滅時効にかかるとしたうえで,この点が重要なのですが,債権者が権利を行使できることを知った時から5年で消滅時効にかかるということになりました。
 つまり,債権者が権利行使できることを知っていればその時から5年で時効というのが,むしろ原則ということです。そのうえで(債権者が権利行使できることを知らなくても,客観的に)権利行使できるときから10年で時効にかかることになります。
 このように消滅時効期間は5年または10年で統一され,1年とか3年とかというような短い時効にかかることはなくなります(ただし,交通事故とか犯罪行為みたいな不法行為による損害賠償請求権は,現行どおり3年のままです)。 通常の場合,人に金を貸して弁済期が来たとか,物を売って代金請求権があるということは,債権者はその時点で知っているでしょうから,そのときから5年が時効期間ということになります。これまでは10年間は請求できると思っていたものが,実際には5年で時効になってしまいますので,注意が必要です。
 
 弁護士 松村光晃

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