弁護士ブログ

2017年4月12日 水曜日

絶滅確定種弁護士の決意

    我が事務所の弁護士は現在8名です。そのうち5名が旧司法試験の合格者,3名が新司法試験の合格者です。今は新司法試験の合格者が毎年大量に輩出されるので,どこの事務所も新司法試験組が相当の割合を占めていると思います。つまりは,私を含めた旧司法試験組は絶滅危惧種,いや時間の問題で絶滅確定種です。

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    絶滅確定種

   新司法試験というのは,2006年(平成18年)から始まった試験で,原則,法科大学院(3年間または2年間)を修了して(例外として予備試験を合格して)受験資格を得られる試験です。
 手前味噌ですが,うちの新司法試験組,つまり若手の3名は実に優秀です。滅多なことでは他の事務所にひけは取らないと自負しています。依頼者の方々の悩みや心情までくみ取って解決の方途を探り,裁判の書面を立派に起案してくれるのは当然のこと,雑学も豊富ですし,なかにはジャグリングの大道芸で稼げるのではないかと思う者までいます。

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    大道芸弁護士

 さすがは,多様な人材に対し「法曹に必要な学識及び能力を培うことを目的とする」と法律に定められた法科大学院での教育の賜物です。
 大学を卒業して就職せずに,高い学費を負担してあえて法科大学院に進学したのですから,それは当然のこと―――  と思いたいのですが(いや,うちに限ってはそのとおりなのですが),今,法科大学院は大変な危機的状況におかれています。というか,一部のブランド大学院とそれ以外の大多数の大学院との二極分化が進み,後者は生き残りをかけて必死に学生集めに走り,だめなら募集停止,閉鎖という流れになっているのです。
 実際,法科大学院制度が始まった2004年(平成16年)の法科大学院志願者は7万2800人であったのに,2016年(平成28年)には8274人と,1割そこそこまで落ち込み,一時74校あった法科大学院は,すでに閉鎖したり閉鎖予定のものを除くと,わずか42校になります。
 それほど裁判官,検察官を含めた法曹に魅力がなくなったのかと,愕然たる思いがします。
 その主要な原因は,需要と供給のミスマッチです。それまでの旧司法試験では1000人程度の合格者数であったのが,新司法試験では,概ね2000人から2100人程度と倍増しました(それでも医師国家試験並みの70パーセント程度以上の合格率をうたっていたはずが,法科大学院乱立を許したために,実際はせいぜい20パーセントそこそこに過ぎす,大半の法科大学院修了者が不合格で終わってしまうのが現実です)。さすがに3000人という当初の目標まではいきませんでしたが,それでも,裁判官,検察官の任官者はそれほど増えていないため,弁護士が大量に増えただけです。そうなると,今度は弁護士の就職難となり,なかなか就職できなかったり,給料が低下したり,訴訟事件等の依頼案件の奪い合いという現実が生じました。
 高い費用を払って法科大学院に行っても司法試験に受かる保証はない(受からない可能性の方が高い),仮に司法試験に受かって弁護士になっても高収入は期待できないどころか,食い詰めるかもしれない――となれば,法科大学院進学のモチベーションが低下するのもむべなるかな,であります。
 一昔前は,少なくとも弁護士になれば「センセイ」と呼ばれ,比較的高収入が約束されていたはずなのですが......。 いや,それはそれとして,ここまで志願者が激減すると,多数の優秀な人材が法曹に背を向けるということを意味し,これは実に深刻な問題です。20年先,30年先の司法はどうなるのか,と憂えざるをえません。
 こんな状況にしたのは,国が,国民に身近な司法制度などと聞こえのよいキャッチフレーズで実態無視の改革を強行したからにほかならない!!!  と,びっくりマークを重ねて言いたいことは山ほどありますが,我が事務所は,このような悪状況の中で,ともかく各弁護士が専門性を高め,ご依頼くださる皆様のご要望に誠実かつ確実な結果を提供できるよう努力していくしかないと決意しております。
 高齢者問題,医療過誤問題,離婚・面会交流など家庭問題,相続問題,交通事故問題,労働問題,刑事事件等々,どの事件一つをとっても,それぞれに人間と人間のドラマがあります。そこにしっかりと向き合って最善の解決策を探ります。そして,そのために事務所内で相互研鑽の勉強会を開催して法律知識のバージョンアップを行い,スキルアップを図っています。
 私たちは,魅力ある法曹像を提示できる法律事務所を目指します。一人でも多くの優秀な後輩が法科大学院を志望してもらえることを信じて。

松村光晃

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